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"Technology and Art"のスペシャリスト集団 すごいエンジニアを見抜き、育てるチームラボの手法

最先端のテクノロジーを活用し、システムやデジタルコンテンツを創り出すチームラボ。ここには、エンジニア、アーティスト、CGアニメーター、数学者、建築家など、さまざまな才能が集結している。チームラボが新卒エンジニア採用・育成において大切にしていることとは? 取締役CTO田村さん、採用担当山田さんに、サポーターズ 代表 楓が聞きました。

新卒エンジニア採用・育成のポイント

  • 入社後の研修で土台となる技術力とマインドを育成

  • 学校訪問などに加え、オンラインでの採用活動を強化

  • スカウトメール送信後のフォローなど、効果的にサポーターズを活用


最先端テクノロジーを活用し、ユーザーに寄り添うスペシャリスト集団

 チームラボといえば、「アート集団」というイメージが強いと思いますが、改めて事業内容を教えてください。

田村さん 事業の柱は大きく2つあります。クライアント企業の課題を分析し、解決に導くソリューション事業。そして、東京・豊洲の「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」をはじめとするアート事業です。

ソリューション事業は、お客さまと向き合い、課題やご要望を明確にしていく構想策定や要件定義を経て、設計、開発、テスト、リリースといったゼロからお客様のサービスが開始されるまでの工程から、その後のシステム保守及び、必要であれば利用者のデータ分析と改善提案まで全ての工程を一気通貫でお手伝いさせていただいております。

お客さまは、銀行や航空、飲食、不動産など業界は多岐にわたります。こちらは、私たちが企画をお手伝いし、独自のスコアリングエンジンの開発、UI/UX設計、デザインをご一緒させていただいた東急リバブルさんの物件検索サイトです。

このプロジェクトでは、物件ごとの特徴から作成したハッシュタグによってお客さまのニーズやこだわりに合った物件探しができる「ハッシュタグ検索」機能を東急リバブルさんと共同開発しました。お客さまと協力し、ユーザーに寄り添うサービスを作り上げた代表例です。

 プロジェクトを進める上で、こだわっていることは何ですか?

田村さん お客様は弊社のソリューションの実績をみて、アウトプットにご期待いただいておりますので、それ以上のアウトプットをご提供できるように意識しております。デザインやUIUXに対しての期待も大きくなってきてますのでエンジニアもデザイナーも社内にいる強みを最大限に発揮していきたいと考えております。またさらにテクノロジーにおいても様々な専門家がおりますので、広くニーズにお応えしていきたいですね。

チームラボ 取締役CTO 田村さん

新卒エンジニアを採用する理由

 新卒エンジニア採用を始めたのはいつですか?

田村さん 私たちは学生起業だったので、設立当初はメンバーの友人をはじめ知り合いづてで同年代が入社してくれることが多かったと思います。

お客さまからの引き合いが増えたタイミングで、本格的に新卒エンジニア採用を始めました。プロジェクトの中心を担い、開発やお客さまとのコミュニケーションは社員でしっかり支えていきたいと考えていました。

最初の頃から高等専門学校生の方が多く、5、6人が入社してくれました。この頃に入社したメンバーで、今でも一緒に働いてくれている方は多いですし、その後もたくさんの高専のメンバーが社員として入社していただきました。もちろんその間では卒業した学校に関わらず多くのメンバーが入社していただいております。

 現在はどのような採用活動をされているのでしょうか?

山田さん 学校の研究室を訪ねたり、高専プロコン(全国高等専門学校プログラミングコンテスト)などのイベントに参加したりして、学生とのつながりを作っています。

また、オンラインでのコーディングテストやスカウトなども年間通して行っています。採用チームが実際に動ける時間には限界がありますので、それがボトルネックにならないよう、リアルとオンラインのハイブリッドで採用活動を設計しています。

 通年でオンラインコーディングテストが受けられるというのは、非常に面白い取り組みですね。

山田さん これは代表の猪子寿之もよく言っていることなのですが、エントリーシートや数回の面接だけでその人の優秀さを全て見抜くのは難しいですよね。特に、自分より圧倒的に優秀なエンジニアと出会ったとき、その人の素晴らしさを測り切れるかというと、不可能です。そこで、過去の実績や作品などの具体的なアウトプットか、コーディングテストの点数など数値で比較できるものをきちんと見るようにしました。コーディングテストの点数によって必要な面接回数も変動します。

新卒エンジニアの育成(技術編)

 新卒エンジニアの育成はどのように行っているのでしょうか?

田村さん 大事なのはエンジニア自身が成長を実感できること。そして、やりがいと満足度を感じられることだと思っています。入社後2ヶ月〜3ヶ月は研修課題を用意しています。土台となる知識や経験は、その研修課題の中で習得していただきます。自分でカリキュラムを進めながら、分からないところをメンターに質問するという形をとっています。

 土台となる知識とは、どのようなものが想定されているのでしょうか?

田村さん 弊社でのWEBサービス開発では、kotlinやJAVA、PHPやRuby、Go言語など、いろいろな言語を使うことになるのですが、多くの利用実績があり、様々な言語を学ぶ前に理解しておいてほしい言語として、Javaを研修課題にしています。そこからPHPのプロジェクトに行く方もいれば、Go言語のプロジェクトに行く方や、Kotlinに行く方もいますね。

インフラは、多くのプロジェクトでAWSを使っているので、AWS認定資格 SAA(ソリューションアーキテクト)の試験勉強をしていただきます。フロントエンドは、TypeScriptやReactを使うプロジェクトが多いです。こちらもかなり共通的に使われているものなので、ベースとして一通り学んでもらっています。

また、成長という意味で言うと、「やったことがないことにチャレンジしやすいサポート環境」がとても大事だと思っています。当然、本人にチャレンジしたいという気持ちがあることが大前提ですが、大きなプロジェクトの開発リーダーは入社3年目くらいからでもスキルとマインドがあればぜひお願いしたいと思っています。そのためにも新しい経験を積みやすい組織づくりを心がけています。

新卒エンジニアの育成(マインド編)

 マインドの部分はどのように醸成していくのでしょうか?

田村さん 私たちはチームで動くことが多いので、一緒に働きたいと思われる人であることが非常に重要な価値観なんです。そこで、研修期間に限らず、3カ月に一度、マインド面についてのフィードバックや振り返りを行っています。

具体的には、「こうあってほしい」というポイントを、「報連相ができる」とか「困っている人がいたらサポートする」といった13の軸にブレイクダウンし、そこに対するアクションができているか、本人とプロジェクトメンバーにコメントをもらい、一人ひとりにフィードバックしています。スキル面についてもこうした機会を設けていますが、マインドもスキルと同じくらい大事だと考えています。入社して間もなくは自分のことで頭がいっぱいだと思うのですが、少しずつ、チームのため、お客さまのためと視野を広げていってほしいです。

サポーターズを活用し、スカウト活動の負荷を軽減

 サポーターズでは「メディア(スカウト)サービス」を使っていただいています。

山田さん サポーターズには、ものづくりやインターンに関して積極的に行動している学生が多いですね。今夏も70人以上の学生がインターンに来てくれていますが、そのうち10人くらいはサポーターズからの参加者です。一方で、内定を複数獲得するような優秀な学生が多く、最後の最後内定を受諾していただけるかというところで苦戦しがちなので、インターンへきて頂けた際は、技術のスキルアップだけではなく、チームラボの事やメンバーを知って頂けるようなきっかけをできるだけ用意しています。

あとは、サポーターズのスカウトサービスを重宝しています。特に、スカウトメール送信後の集客をサポートいただけるので助かっています。

 スカウトって丁寧にすればすればするほど時間がかかりますよね。採用チームの負荷も大きい。だからこそ、サポーターズができる限りお手伝いできればと考えています。

山田さん サポーターズは、学生とチームラボの間に入って、学生にとって企業には直接聞きにくいだろう質問も吸い上げてくれていますよね。企業側が自分たちだけで採用活動をしていると、ここまでのケアはできていない場合もあるかと思います。これが聞けるようになったことで、学生の不安を解消する手立てが打てるようになりました。

チームラボ 採用担当 山田さん

チームラボの一番の魅力は、一緒に働くメンバー

 採用活動の中で、学生には何を魅力として伝えていますか?

山田さん 物や設備で魅力づけないようにしようと思っています。例えば、働く上での物理的なインセンティブや華美な設備に囲まれて働けることがモチベーションに繋がる人もいると思うのですが、長期的にモチベーション高く働いていくには、インセンティブ以外のもっと違う点が重要だと思っています。

では、何で魅力に感じてもらうのか。一緒に働くメンバーをリスペクトできるかどうか、が一番の魅力だと思います。技術的にも人的にも、非常に面白い人たちが集まっているので、異なるチームのメンバーがチームやプロジェクトの垣根を超えて横断的にコミュニケーションできる場として、新入社員との交流の場や部活、社員旅行などを用意しています。

リスペクトできる仲間やそういった人たちに囲まれている環境はお金や物では替えがききません。それに勝るものはないと思ってます。チームラボで働いている人の個性や魅力を知ってもらい、こういう人たちと一緒にいることが楽しいからここにいたいと思える――そんな動機づけとなるような機会をできる限り作っていきたいです。

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