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技育CAMPハッカソンレポートvol11

■技育CAMPとは

技育CAMPとは、エンジニアを志す学生の皆さんにハッカソンと勉強会を通して、継続的なインプットとアウトプットの場を提供するスキルアップ支援プラットフォームです。

ハッカソンは月1-2ペースで定期開催され、メンターや賞金もある充実のサポート体制をご用意。ただ自称「日本一参加ハードル低いハッカソン」として毎回6割以上が初ハッカソン勢という初心者向けハッカソンです。

2021年は約5,000名が参加し、約280作品が本ハッカソンから誕生しました。

■今回のハッカソンテーマとルール

2月のハッカソンテーマは「はじめてのハッカソン!」

今回の技育CAMPは初心に戻って、新しい挑戦に挑む学生とハッカソンを行ないました。

そして技育CAMPでは、なんと賞金も出ます。

最優秀賞:5万円(1チーム)
優秀賞:3万円(1~複数チーム)
努力賞:5,000円(複数チーム)
参加賞:1,000円(全員)

という、2dayハッカソンとしては異例の賞金額!
また、参加するだけ(正確にはプレゼンまで行うと)参加賞までもらえる、非常にお得なシステムとなっています。
(全て支援いただいているスポンサー企業さんのおかげです。感謝!!)


参加者属性

2月11-12日開催の「はじめてのハッカソン~オンライン開発合宿vol.11~」の参加者属性をまとめました。

今回の技育CAMPvol.11では、高校生から大学院生や職業訓練生も参加し、多様な参加属性になった回でした。

また全体の55%がハッカソン初参加と言うアンケート結果が出ており、技育CAMPをきっかけに新たな挑戦をしている学生さんが増えて、とても嬉しく思っています。


■ハッカソンスタート

Twitter上から技育CAMP参加者のハッカソン参加への声を集めました。

https://twitter.com/geek_pjt/status/1624245473115795456

一部の学生さんにとって、今回の技育CAMPvol11はテスト明けでゆっくりしたい時期だったと思います。

貴重な2日間を技育CAMPvol.11に参加してくれて、本当にありがとうございます。


■ハッカソン中の様子

ハッカソンは2日間となり、初日の11時から2日目の15時までの合計28時間で開発を行います。(希望者は1週間前のキックオフからの開発はOK)

オンライン開催のため、チームごとに自宅や研究室から、様々な場所で開発を行います。

運営側で2名から3名のメンターも常時サポートできるようになっており、質問や相談を随時slackやZoomで受け付け、一緒に考え、一緒に問題解決をしていきます。


■いよいよプレゼン!

28時間の開発を終え、2日目16:00〜はいよいよ成果発表プレゼン!
2分間のプレゼン時間で発表していきます。

今回のハッカソンでは予選がなく、1回きりのプレゼンで全てが決まります。

この章では、発表されたプレゼンを一部抜粋して紹介しています。

(午前三時のウランバートル:Click Quick Cooking)
(エリンギの花言葉は宇宙:ホロモニター)
(てんぺん:たんたん英語日記)
(クッキン、グ〜:ミールキット アプリ)


■結果発表

いよいよ結果発表です。

サポーターズ代表の楓さんは、技育CAMPを通して学生さんのレベルが少しずつ上がってきたと感じているそうです。

継続開発をしている人、
後輩を連れてきて参加してくれた人、
初めてハッカソンに挑戦してくれた人、
みんなの挑戦が今後の日本のエンジニア界に影響を与えます。

今回どんな成果物が発表されるのか楽しみにしてました。

技育CAMPvol11の審査員はサポーターズ代表の楓さんが担当します。

そして技育CAMPvol11では、努力賞5つ+優秀賞1つ+最優秀賞の計7賞が表彰されました。


努力賞1 

栄えある努力賞1チーム目は、

Hawk「SOUND OF FEAR」

でした!

チームHawkは、エコーロケーションホラーというジャンルのホラーゲームを制作しました。

SOUND OF FEARは、視覚化された音の反響を手がかりに暗闇からの脱出を目指すゲームです。

下記操作でゲームをプレイします。
WASDキー:移動(shiftキーの同時押しで走る)
Cキー:しゃがむ
マウス:視点移動

チームHawkが今回挑戦したことの一つとして、Unityでバックエンド技術を利用した機能を作成したことが挙げられます。

Azure PlayFabを用いて、脱出までの時間をスコアとしたランキング機能を作成したとのこと。

チームHawkは、複雑な物理演算を用いて正しく反射するレーザーを実装しています。

演算の多い処理を繰り返すため、はじめはゲームが重くなることが多々あり課題だったそうです。

今回の作品を見て、ゲームのコンセプトから考えるのはとても大変だったと思います。

面白いゲームだと思うので、多くの方にプレイしてもらいたいですね。


努力賞2 

栄えある努力賞2チーム目は、

ひよこクラブ「お祈り翻訳」

でした!

お祈り翻訳は、就活生がお祈りメールで負ったダメージをケアするプロダクトです。

エントリーシートや面接の結果を通知する際に届くお祈りメール。これらは就活生に多大な精神的負担を与えます。

届いたお祈りメールを絵文字を入れることで、文章が賑やかになり、就活生の心のダメージを軽減させます。

これなら辛いお祈りメールを見ても前向きな気分になれますね。

今後の展望として、次のようなことを考えているそうです。

  • 自然言語処理を使用して内容にあった絵文字を出すこと

  • お祈りメール以外にも対応させること

  • 賑やか度合いの調整ができるようにすること

今の時期に「お祈り翻訳」が欲しい学生さんもきっと多いはず、ぜひ継続開発を続けてもらいたいです。


努力賞3 

栄えある努力賞3チーム目は、

超健康優良児「記者会見風反省アプリ」

でした!

チーム超健康優良児は、ソロでハッカソンに参加しています。

今回2月という時期だからか、ポジティブになれるプロダクトが多いです。

「記者会見風反省アプリ」は、2個目に紹介した「お祈り翻訳」とは別の視点でポジティブになれるプロダクトです。

会見タイトルと想定質問を入力し、会見を開始すると記者会見のLive画像に遷移します。

回答入力に質問への回答を入力することで、明るい気分で反省をして、成功に目を向けられるアプリです。

「記者会見風反省アプリ」は、CSSでフラッシュのアニメーションを制作した点が、今回のこだわりポイントとのこと。

ソロ開発で大変だったと思うけど、「参加してとても楽しかった」と感想を貰い、サポーターズ運営として嬉しいです。


努力賞4 

栄えある努力賞4チーム目は、

マジ助「マジスケ」

でした!

マジスケは「日程調整をもっと手軽に」をコンセプトに作られたマジックスケジュールアプリです。

カレンダーアプリに日程を入力するとき、次のような点で困ることがあると思います。

  • 入力が面倒

  • カレンダーアプリと自分のスケジュール帳との往復が大変

マジスケはGoogle Calendar APIを使って、日程調整の補助を行ないます。

今回次のようなことへ挑戦したそうです。

  • envoy

  • NEXTjs

  • gRPC

  • GO

  • docker

  • ECS/ECR

各メンバーそれぞれ初めての技術に触るなど挑戦が見られました。

今後の展開にとても期待できますね。継続開発頑張ってください。


努力賞5

栄えある努力賞5チーム目は、 

高みのリーゼント「AI Speculation Quiz」

高みのリーゼントは今話題の画像生成AIであるStable DiffusionとPythonを使って、海外旅行への障壁を下げるアプリを制作しました。

海外旅行で困ることのひとつに旅行先の法律があります。

AI Speculation Quiz = AI × クイズ × 法律 をコンセプトに

日本じゃ考えられないような法律をピックアップし、クイズにするという試みです。

クイズ画面に移行すると、クイズの文章とクイズを連想させる画像が即座に生成され表示されます。

使用技術は、下記の通りです。

  • Fire base

  • Streamlit

  • Python

  • Stable Diffusion

ユニークな発想から作られた「AI Speculation Quiz」、今後海外旅行へ行く前に必要なアプリとして認知されることを期待しています。


優秀賞 

栄えある「はじめてのハッカソン~オンライン開発合宿vol.11~」優秀賞に表彰されたチームは、

翔んで埼玉神奈川「Majority Railway」

でした!!!

新型コロナウイルスの5類への移行に伴い、2月11日政府は3月13日以降のマスク着用を個人の判断に委ねると発表しました。

マスクを着用するか、しないか問題は、悩む方も多いと思います。

周りの人の様子を見て、合わせたいと思う方もいるでしょう。

そんな時はMajority Railwayの「マスク予報」をおすすめします。

これを使えば全国各地のリアルタイムなマスク予報を見ることができます。

使い方は、地図から都道府県を選ぶと各都道府県ごとのマスクをつけてる人の割合を知ることができます。

データの取得方法は2つ。

1つ目は、全国のライブカメラです。
ライブカメラの映像から街行く人々がマスクをつけているかを判別します。

2つ目は、ユーザの投稿写真です。
写真はマスクの有無の情報だけが保存されるためプライバシーは守られます。

使用した技術は下記の通りです。

  • Next.js

  • GAS

  • CSS animation

  • CSS in js

  • Python

  • Flask

  • Google API

  • 畳み込みニューラルネットワーク

●講評

(審査員長・サポーターズ代表 楓さん)

「ここに関してはまぁなんかすごく旬なプロダクトでしたね。マスクの割合を現地のカメラからの割り出して行くみたいなやつでした。

個人的にはやっぱりああいう世の中にある情報を今の画像処理技術とか色々使うとまた新しい価値が生まれるという格好良い使い方でもあると思うし、なんかコロナに限らずに色んな応用ができるのはと思っていて、発展性をすごく感じました。

なんかいろんな活用方法がありそうで、今あるものと技術をうまく組み合わせていけそうだなっていう風に感じました」

(学生メンター 山河さん)
「この時期だからできるマスクのプロダクトというのも一つも面白いなと思いました。

実際にモデルを作って、学習させてやっていたのかなと思うのですが、そういったところが結構評価としてはよかったのかなという風に思います。

個人的にはなんですけど、データを蓄積しているという所で、将来長い期間で見たときに一種の社会的データになるんじゃないかなと思い、面白いなと思いました」

(学生メンター 笠原さん)

「優秀賞を受賞おめでとうございます。

先ほど山河さんからもあったんですけど、モデルを自作しているというところがすごいなあと思っています。

結構大きめの研究所とかでもマスクの着用率とかって研究されてて、スタジアムとかの実証実験とかでもマスクの着用率が測定した実験があったりなどする中、それを自作するのすごいなと思いました。

今後も継続的に学習していって、どんどんデータを食わせて精度を向上させていくっていうところが醍醐味を感じてください。

マスクも多様なものができているので、肌色のマスクとかもバチバチに事項を検出できるようになっていくと面白そうだなというところです。

今後も継続的にサービスを動かして、一攫千金狙ってみてください」

(チーム代表ひとこと)
「本当にすごいチームに恵まれて、良いもの作れました。本当にありがとうございました」


最優秀賞

栄えある「はじめてのハッカソン~オンライン開発合宿vol.11~」最優秀賞に表彰されたチームは、

分類の超人「unpacker」

でした!!!

ブックマークで次のような点に困ったことがあると思います。

  • ネストの深いフォルダ

  • 他所に迷い込んだリンク

unpackerは、ブックマークを自動で整理してくれる、エンジニアにはかかせない便利なものです。

カテゴリごとに分類することができます。またUIもシンプルに使いやすいことが特徴です。

今回チームメンバーのほとんどがハッカソン・アプリ開発に初だったとのこと。技術的には、Git,Docker,Vueなどの技術に初挑戦したそうです。

またチームメンバーをサーバーに2人、クライアントに2人、
PMをひとり費やすことで短い開発期間の中、円滑に作業を進めていたそうです。

しかもこのチームは即席で組まれたチームだから、今後の継続開発が楽しみですね。

●講評

(審査員長・サポーターズ代表 楓さん)
「フィードバックシートにも書いてありましたが、地味に欲しかったみたいなもので、ちゃんとニーズのあるところを、ちゃんと機能の部分をしっかりとつけて、余計なものを削って、ちゃんと仕上げてきたっていうところは良かったかなと思っています。

個人的にいいなと思ったのが、AIを使ってなにかするとき、ちょっとした誤差とか、それじゃねーよみたいなのが発生した時の対応ができるといいので、今回はその誤差の部分を速攻で変えられるという点がよかったです。微調整できますみたいな UI とかそういう機能を含めてちゃんとしてるなと思いました。

これやっぱりPLが居て、ちゃんとチームで役割分担をしているところが素晴らしいんだろうなと思いました。

今回ハッカソン常連の人たちとハッカソン初参加の人たちが組み合わさって参加したチームだと思ってて、なんかそれがうまく機能していて、何かこういうチームが増えてきてもいいなと思いました。以上です」

(学生メンター 笠原さん)

「まずは最優秀賞おめでとうございます。

プレゼンでもおっしゃってましたけど、チームとしての動き方がランダムで組まれたとは思えないくらい洗練されていて、若干の恐怖を覚えるほどで、凄いなあというところです。

アイデアもすごかったですし、それを実現できた完成度もそして見せ方自体も凄くうまかったなと思います。

僕も自然言語処理をちょっとやってたんですけど、テキストの分類のところで自然言語処理を使うというところで、なんか最近話題の生成AIみたいな感じの使い方でなく、なんか扱い方がうまいなってちょっと嬉しくなったっていうところです。

個人的なポイントですが、発表の時なんかここでデプロイしてますみたいな話を聞かなかったのがちょっと惜しかったので、是非すぐデプロイできるような環境は整っていそうなので、デプロイして皆が使えるようにしていただけると嬉しいなというところです」

(学生メンター 山河さん)
「おめでとうございます。

本当に個人的に一番すごいなと思ったのは PM を一人置くというところが一番すごいなと思っています。

実際こういう感じで技術をやらない人を一人置くスタイルでハッカソンをやったことがあるんですけど、そうするといろんなハッカソンの中でやらなきゃいけない細い事が出てくるところ思います。

その部分を今回うまく調整できていたようで、よかったです。

プロダクトとしてもみんな欲しいなっていうのを作っていて、いいなと思いました」

(チーム代表ひとこと)
「ありがとうございます。自分は技育CAMPが今回で8回目とかになるんですけど、やっと最優秀賞とれたなと言う嬉しさがありました。

1年前とかも全然API何それみたいな状態だったので、是非こっから勉強する方も最優秀賞を1年後とか、もう一か月後でも狙えると思うので、これから頑張って欲しいなと思います。

チームメンバーでも追加開発をやっていこうと思います。ありがとうございます」


■全体講評

(審査員長・サポーターズ代表 楓さん)
「今回受賞できなかった人も初参加の方々も『結局つよつよの子が受賞するんじゃん』みたいな風に思っちゃうと思うんですけど、他の学生さんとかもそこからスタートだったんだなと知って欲しいです。

なので、みんなこっからスタートしていきましょう。

事前開発を含めても一週間のハッカソンなので、ぶっちゃけそんな大した差はついてないと思っています。

もちろん今みんなが今回受賞できなかった人、なかなか動かなかった人や完成しなかった人から見ると、今回の受賞者ってすごい遠くにいるように見えてるだろうし、ある意味絶望を感じてる人とかもいるかもしんないですけど、大丈夫です。そんなもんです。

さっきの北君もしかり、最初はみんなそうなのでただそれが何回か行ったりとか継続開発することで意外とその差って余裕で埋まります。

これって本当に社会に出てから、この差を埋めようとすると大変なんすよ。ほんと社会で忙しい中で、仕事もある中で、差を埋めてくれなきゃいけないってしんどいんですけど、学生の時ってこういう技育CAMPとか楽しくできたりとか、みんなでわいわいして、何か気づいたら力ついてたみたいな風に全然なっていくと思うんですね。

北君もこの一年間死ぬ気で血反吐吐きながらやってきたってテンションには僕には見えてなくて、なんか毎回楽しそうに色んな挑戦してて気づいたらなんかすごくなってみたいなそんな話だと思っています。

それの積み重ねだと思ってるので、今回悔しい思いした人もですね、そういう風に前向きに捉えていって欲しいなと、とにかく大事なことはこれがスタートだと思って、これが何かの終わりじゃなくて、とにかくスタートですよっていう感じです。

是非継続開発を重ねて技育CAMPアドバンスに招待された入賞者の方々も絶対これ開発を続けてね。

色々他にも発表する機会とかを用意していきたいなと思っているので、期待しててください。ありがとうございます 」


■懇親会

サポーターズ代表の楓は、いつもこう言っています。

「懇親会までがハッカソンだ」

友達をつくる。知り合いを増やす。

コロナ禍で横のつながりが減り、情報が新しく入りづらい今の時代に懇親会は貴重な機会です。

懇親会はZoomのブレイクアウトルームを使い、数チームに分かれて懇親を深めました。


■ハッカソン後の声

Twitterで2月11日、12日技育CAMPハッカソン参加者の声をご紹介します。

https://twitter.com/geek_pjt/status/1624711705518538752

ということで、技育CAMP2023年2月vol11は無事終了いたしました。

サポーターズは、物創りに挑戦し、日本の未来を変えるギークなエンジニアを応援しております。

みんなにも読んでほしいですか?

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