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未来のモビリティを創造するボッシュ、歴史ある製造業がソフトウェアエンジニアを採用するには

ドイツ発・世界トップクラスの自動車機器サプライヤーとして、日本国内はもちろんグローバルに展開するボッシュ。100年に一度の変革期を迎えた自動車業界にあって、未来のモビリティの創造、ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)の実現に向け、新卒ソフトウェアエンジニア採用に力を入れています。

 1886年の創業以来、自動車業界でのものづくりを牽引してきた同社が、そのイメージを一新し、ソフトウェアエンジニアを採用するための工夫とは? 新卒採用に携わる佐藤礼菜さん、鬼塚郁実さんに、サポーターズ 代表 楓が聞きました。

新卒エンジニア採用・育成のポイント

  • 自動車、ハードウェアに特化したイメージを一新

  • サポーターズのイベントでソフトウェアエンジニア学生の認知度を高める

  • 学生とともに採用担当者もサポーターズのイベントを楽しむ


世界の自動車メーカーとともに未来のモビリティを創造

楓:ボッシュといえば、自動車業界におけるイノベーションや技術のリーディングカンパニーとして知られています。

鬼塚:中でも、自動車メーカーに対して部品やシステムを供給する「自動車機器サプライヤー」と認識いただいていることが多いです。サプライヤーというと、「メーカーの下請けとして言われるがまま作る」というイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。メーカーが新製品をリリースするにはさまざまな技術が必要で、量産化するための仕組みも求められます。それらをお客様である完成車メーカーと一緒に開発しているんです。

楓:具体的にはどのようなシステムを開発しているのですか?

鬼塚:エンジンを制御するエンジンコントロールユニットから、安全を守るブレーキシステムやエアバッグコントロールユニットなど自動車に欠かせない機能はもちろん、最近では自動運転などの新技術の開発にも取り組んでいます。ここでは、単に運転を自動化するのではなく、「安全性と運転の楽しさをいかに両立させるか」という視点が重要です。

佐藤:車載インフォテインメントの開発も進めています。車載インフォテインメントとは、ドライバーや同乗者に情報や娯楽を提供するシステムです。車内をいかに快適でエンターテインメントに富んだ空間にするか、完成車メーカーとともに顧客ニーズを想定しながら作り上げています。

鬼塚:自動車機器サプライヤー以外の顔も持っています。モビリティ ソリューション、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・ビルディングテクノロジーの4事業を柱に、AI、IoTを駆使したスマートホームやインダストリー4.0など、革新的なソリューションを提供しています。ですから、ハードウェア、ソフトウェアに限らず、多様なスキルを持ったエンジニアが活躍しています。


ソフトウェアエンジニアの力が不可欠ーーボッシュが新卒エンジニア採用に力を入れる理由

(グローバルビジネスサービスジャパン 人事シェアードサービス部 タレントアクイジションマネージャー・佐藤さん)

楓:なぜ、新卒エンジニア採用に力を入れているのでしょうか?

佐藤:これからの私たちのビジネスを創るのは、若い才能です。コロナ禍で世界経済が危機的状況にさらされ、若い人材を育てたいという思いはさらに強くなりました。

 加えて、ソフトウェアによってより付加価値の高い乗り物を作り上げていくことは、当社のグローバルでの共通認識です。ただ、やはりハードウェアに強い製造業としての歴史が長いので、ソフトウェアを強みとするにはまだまだエンジニアの力が必要です。2023年は100名を超える新入社員を採用しましたが、その多くはエンジニアです。

鬼塚:製造工程においても、AIやIoT、画像認識を使った自動化・最適化に取り組んでいます。ここにもソフトウェアスキルを持った人材のニーズが高まっています。そこで今年の工場でのインターシップでは、Pythonなどプログラミングができる方を募集しているんです。


真にグローバルな環境とクラフトマンシップーーボッシュで働く面白さ

楓:ソフトウェアエンジニアがボッシュで働くメリットや面白さは何だと思いますか?

佐藤:グローバルで活躍したいというエンジニアには、うってつけの環境だと思います。従業員数は世界で約42万人。年齢や性別、国籍で左右されることは全くありませんし、空気を読むとか暗黙の了解で物事が進むことも一切ありません。日本法人はドイツ本社の指示にしたがうだけ、という実態はありません。日本のお客さまのニーズに応えるには、日本のメンバーがリーダーシップをとるべきだと期待されています。本当の意味でダイバーシティのある環境なんです。

 もちろん、「コミュニケーションって難しいな」と痛感することもありますが、この環境でリーダーシップを発揮できるなら、世界中どこへ行っても活躍できます。自信を持ってキャリアを積んでいけるはずです。

楓:ドイツ発の企業であることの面白さは何ですか?

佐藤:やはりクラフトマンシップでしょうか。創業者ロバート・ボッシュの「新しい技術で社会をより良くしたい」という思いがピュアに受け継がれています。いくつかの会議室には、「人間性を決して忘れないこと」「社会のための技術を生み出そう」といったボッシュの言葉と肖像が掲げられています。

楓:研究開発費は約8000億円。社会の役に立つために必要な投資ができているということですよね。

佐藤:グローバルの売上高の約8%を研究開発費にあてています。コーポレートスローガンである「Invented for life(人と社会に役立つ革新のテクノロジーを生み出す)」が細部にまで浸透しているんです。


ソフトウェアエンジニアを志す学生に、「ボッシュ」という道を伝えたい

(グローバルビジネスサービスジャパン 人事シェアードサービス部 鬼塚さん)

楓:なぜ、サポーターズのサービスを活用してくださっているのでしょうか?

鬼塚:一番の目的は、ソフトウェアエンジニアを目指す学生に、ボッシュを知ってもらうことです。そのために、サポーターズのイベント(技育祭やエンジニアEXPO)を活用しています。

 実は、技育祭で学生の皆さんに「ボッシュを知っていますか?」と尋ねると、「知らない」という方が本当に多くて、事前アンケートも認知度20%と非常に低いんです。工業・機械系学部向けの就活イベントとは全く傾向が違います。エンジニアを目指す学生、情報系学部の学生との接点を増やし、「ボッシュという道もあるんだよ」とアピールしていきたいです。

佐藤:サポーターズのイベントが一般的な合同説明会と違うのは、「学生に楽しんで参加してもらおう」「キャリアの選択肢を増やす機会を提供したい」という思いがすごく伝わってくることです。営業担当の方もそういう視点でお話してくださるので、たとえすぐに成果が出なくても、「ボッシュという道があることを伝えられただけも学生にとって良かったのでは」と思えるんです。

鬼塚:学生だけでなく、私たち採用担当者も楽しんで参加しています。学生と話せるのはもちろん、技育祭のセッション自体、面白いですよね。

佐藤:歴史ある大企業からスタートアップまで、出展企業が多様なところもいいなと思っています。さまざまな企業の採用戦略から、たくさんのことを学ばせていただいています。

楓:その中で、ボッシュならではのアピールポイントは見えていますか?

佐藤:技術研鑽できる環境が整っているという点では負けてないと思います。年間300を超える社内研修が用意されていて、中には英語での研修や技術トレーニングもあります。「やってみたいけど現時点では自信がない」という方でも成長できる土壌があります。

鬼塚:働きやすさにも自信があります。メリハリのある働き方ができるよう、ここ数年で社内制度をアップデートしました。例えば、新人事制度「Smart Work」では、出社とリモートのハイブリッドな働き方を基本とし、会社が一律にリモート率を決めるのではなく、チームメンバーと話し合いながら自分たちで最適な働き方を決めることができます。
 さらに、週休3~4日制も可能な「ショートワーク正社員制度」を導入しました。こちらは、育児や介護、自己研鑽などのために短時間勤務を選べる制度です。

楓:非常に先進的ですね!

佐藤:成長機会とそれを支える柔軟な働き方、その両方がそろった環境だと思います。