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内定承諾率80%超 大手を抑え、ワクトが新卒エンジニアに選ばれる理由

Webアプリケーションやスマホアプリの開発を得意とするワクト。従業員数71名(2024年1月時点)。請負開発はもちろん、2016年3月からは交通量調査に最適な「全方向トラフィックカウンター」を自社開発するなど、「ものづくり」に特化したエンジニア集団です。今後さらに注力していくのは、中小企業のDX支援。システム開発によって企業の業務プロセスを効率化し、DXを進めていこうとしています。

2022年卒からは新卒エンジニア採用を強化。22卒は2名、23卒は10名、24卒は7名を採用。ベンチャーでありながら、内定承諾率80%超と非常に高いのが特徴です。ワクトが選ばれる理由とは? 取締役の星山聡史さん、採用・広報室の師岡夢さんに聞きました。

新卒エンジニア採用・育成のポイント

  • サポーターズを活用し、親和性の高い学生とのマッチングを効率的に

  • 4種の研修で、新卒エンジニアの成長を促進

  • 経営層が新卒採用にコミットし、内定承諾率80%以上に

  • 新卒メンバーが社内に活気を与え、先輩社員にも良い影響が


請負開発、自社サービス開発でのノウハウを強みに事業を拡大

楓:中小企業のDX支援に力を入れる理由は何ですか?

星山:私は広島の大学で年1回非常勤講師をしていることもあり、現地の中小企業の経営者の方との繋がりも増え、DX関連の相談を受ける機会が多いんです。関東も同様ですが、日本は大手を除くとまだまだDXが遅れています。社内にDX推進をする人材が足りない上、予算との兼ね合いもあって、なかなか思うように進まないのです。当社はもともと請負開発事業を一つの強みとしています。ここで培ったノウハウを生かし、新しい価値を生み出すお手伝いがしたいという思いを強くしました。具体的にはクラウドやLINEミニアプリのようなサービスを有効活用するなど、簡易的なシステム開発によって極力低コストでのDXを支援していきたいと考えています。

自社サービスにも力を入れていきます。例えば、2016年3月にリリースした交通量調査を省力化する「全方向トラフィックカウンター」をリニューアルします。こちらは無料アプリということもあって長い間機能追加などしておらず、今年からは提供をストップしていました。ところが、ご利用いただいていた企業の皆さんから、「有料にしても良いので再リリースして欲しい」と。お役に立てていたのだと知り、今期は事業計画にも盛り込んで再リリースすることにしました。

ワクトが新卒エンジニア採用を強化する理由

楓:なぜ、新卒エンジニア採用に力を入れているのでしょうか?

星山:事業拡大に向けて、2022年卒から新卒エンジニア採用を本格化しました。即戦力となる中途エンジニアの採用はもちろん大事ですが、長い目で見ると、新卒から育成することで、やがて当社を引っ張る人材になってくれるのではないかと。

当時はまだ、新卒エンジニアのオンボーディングや成長を支援する体制が整っていませんでした。今でも人事部はなく、営業部が兼務している状態です。でも、先輩エンジニアや営業部のメンバーたちの気持ちの入り方がすごくて、「私たちがしっかり一人前に育て上げていこう」と。いつの間にか、新卒エンジニアを迎える空気ができていましたね。

師岡:私をはじめ、営業 兼 新卒採用に携わるメンバーは、定期的にエンジニアとランチミーティングを開催し、「今年は新卒でこんな人が入るからよろしくね」といったコミュニケーションを取っています。エンジニアは、「私もちゃんと教えられるようにもっとインプットしなきゃ」とやる気になってくれますし、お客さまに対して、「来年ワクトに新メンバーが入るので、よろしくお願いします」なんて匂わせてくれたりして、自然と受け入れる土壌ができていきました。

(師岡夢さま / 採用・広報室)

サポーターズを活用する理由は、手厚いサポートと学生との精度の高いマッチング

楓:実際に新卒エンジニア採用を始めてからは、どのような課題がありましたか?

星山:1つ目は、そもそもどうすればエンジニアを目指す学生と接点が持てるのか分からなかったことです。「学生向けの求人媒体に載せればいいのかな」とは想像しつつも、ワクトの採用基準を満たした学生が関心を持ってくれるのか不安でした。

2つ目は、新卒エンジニアや未経験者を一人前にするための教育体制を一から作り上げる必要があったことです。先輩エンジニアが歓迎しているとはいえ、実際のプロジェクトに新卒エンジニアを参加させ、OJT(On-the-Job Training)を行うには、現場のリソースが足りませんでした。また、OJTに入るまでの教育プロセスもまとまっておらず、検討が必要な状況でした。

楓:どうやってこれらの課題を解消していったのでしょうか。

星山:学生との接点を作ることに関しては、2つ行いました。1つは、何と言ってもサポーターズの活用です。きっかけは、当社のグループ会社の紹介でした。新卒採用を始めたいと相談したら真っ先に、「うちも長年活用しているサポーターズがいいよ」と教えてくれたんです。

結果、当社もサポーターズに決めたのは、最初の打ち合わせから丁寧でスピーディな対応をしてくれたから。当社が何を強みにしていて、どんな雰囲気で、どんな人材がマッチしているのか、しっかりヒアリングして理解してくれたのが伝わってきました。

その後も、サポーターズと事前に採用したい人物像を入念に話し合っておくことで、学生の皆さんに効果的にアプローチできました。もはや自分たちと同じ感覚で探してくれているような印象です。

特に驚いたのが、マッチング精度が非常に高いこと。最初から当社に合う、かつ当社に関心の高い学生ばかり紹介してくれました。サポーターズを介すと、学生のご紹介から面接、内定受理まで4~5回のステップを経ることになりますが、いずれも迅速かつ丁寧に対応してくれています。ここは個人的に一番重要なポイントです。

2つ目が、採用チームの結成です。営業から2名、エンジニアから2名、総務から1名の計5名で採用チームを作り、採用フローを整えることで、正確な採用情報のエスカレーションとスピーディな対応ができるようにしました。

(星山聡史さま / 取締役)

4種の研修で、新卒エンジニアの成長を促進

星山:教育体制に関しては4種類の研修を用意し、新人が育つ環境を整えました。1つ目は、当社が属するエル・ティー・エスグループ独自の研修です。主にロジカルシンキング、タイムタスクマネジメント、プロジェクトマネジメント等の基礎やExcel、PowerPoint(上級レベル)、を1カ月で徹底して教育を行います。

2つ目は外部の技術研修への参加です。まずはJavaの知識を身につけてもらっています。なぜJavaなのかというと、Javaのオブジェクト指向は他のプログラムにも必要不可欠な知識なので、これを理解することで他の言語も比較的容易に感じられることが多いんです。

3つ目がOJTです。先輩社員のいるプロジェクトに実際にアサインして実務経験を積みます。4つ目がSalesforceの研修です。2か月で開発系の資格を2つ取得してもらいます。

楓:手厚いですね。

星山:この4つの研修を柱とすることで、スムーズに育成することができました。新卒メンバーは、「入社前に受けていた説明よりも研修内容が充実している」と驚いたようで、より一層真剣に励んでくれました。

内定承諾率80%以上、ワクトが選ばれる秘訣とは

楓:御社は内定承諾率が高く、80%以上に上ります。大手SIerとバッティングしても選んでもらえることが多い。その理由は何だと思いますか?

星山:特別なことはしていないと思います。一次面接から最終面接まで、基本的には私が出て、直接お話をさせていただきます。多いときは1日5回。正直疲れますし、他の仕事は全くと言っていいほど進みません(笑)。でも、メッセージをぶらしたくないし、妥協したくないんです。

楓:そこまでする理由は何ですか?

星山:やはり少しでも良い学生に入社してもらいたい。ワクトを好きになって、ファンになって入社してもらいたい。それに尽きます。先ほども言いましたが、私は新卒メンバーこそ、次のワクトを作っていくと信じているんです。

入社をお断りするにしても、良い印象を持ってもらいたいです。「こんなに良い会社なのに、悔しいな」って。実はときどき、お断りした方から御礼のメールをいただいたりするんです。機械的な面接ではなく、本音で話せてよかったと。中には、非常に優秀で内定を出したいけれど、ワクトとは道が違うような学生もいます。ここで一生懸命説得して入社してもらってもお互い不幸になってしまうので、真剣にその学生の人生を考えます。

楓:面接の内容が気になりますね。

星山:特に決めてはいません。ただ一つ意識しているのは、働くことに夢や希望、ワクワク感を持ってもらいたい。非常勤講師として今の学生と接していると、自分が学生の頃より割と冷めてるなって感じます。ワクトの面接を通して、入社有無に関係なく、社会で活躍したいと思うきっかけになるような時間にしたいと思っています。

楓:一見非効率的ですが、社会人になることへのモチベーションを上げることが、採用にも効いてくるということでしょうか。

星山:それはあるとは思います。そういう話をしてるうちに、お互い波長が合うかどうか分かってくるんです。新卒メンバー同士の仲もすごく良いですね。性格はバラバラですが、やはり波長が合う学生を採用しているからだと思います。

新卒エンジニア採用がもたらした社内の変化

:OJTを行うには、現場のリソースが足りなかったとおっしゃっていましたが、その点はどうでしたか?

星山:全くの杞憂に終わりました。新卒エンジニアが入ってきたことで、先輩エンジニアたちは非常に良い刺激をもらったようです。新卒エンジニアをサポートする姿勢に始まり、仕事への向き合い方や責任感の持ち方など、新卒エンジニアのお手本となるよう動いてくれています。私も驚くぐらい言動がポジティブになりましたね。

師岡:私も先輩エンジニアたちの変化を実感しています。これまでの当社は、プロジェクトに新しく若手が入るとなると、パートナー企業の方であることが多かった。それが自分と同じ「ワクトの社員」となると、先輩エンジニアが自分のキャリアプランを意識するようになりました。新卒エンジニアの存在が、自分はマネジメントに行くのか、スペシャリストとして尖っていくのか、考えるきっかけになったんです。

星山:おかげでOJTだけに留まらず、社内のグループワークや勉強会、さらには懇親会の雰囲気まで、より一層明るくなりました。当社では毎月、ビジネスモデルを作り上げるグループワークを実施しているのですが、そこでも新卒メンバーが主体性を発揮しています。どのチームも新卒メンバーが積極的に進めていくので、相乗効果で会社全体が活気にあふれています。

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