技育CAMPハッカソンレポートvol10
■技育CAMPとは
技育CAMPとは、エンジニアを志す学生の皆さんにハッカソンと勉強会を通して、継続的なインプットとアウトプットの場を提供するスキルアップ支援プラットフォームです。
ハッカソンは月1-2ペースで定期開催され、メンターや賞金もある充実のサポート体制をご用意。ただ自称「日本一参加ハードル低いハッカソン」として毎回6割以上が初ハッカソン勢という初心者向けハッカソンです。
2021年は約5,000名が参加し、約280作品が本ハッカソンから誕生しました。
■今回のハッカソンテーマとルール
1月のハッカソンテーマは「はじめてのハッカソン!」
今回の技育CAMPは初心に戻って、新しい挑戦に挑む学生とハッカソンを行ないました。
そして技育CAMPでは、なんと賞金も出ます。
最優秀賞:5万円(1チーム)
優秀賞:3万円(1~複数チーム)
努力賞:5,000円(複数チーム)
参加賞:1,000円(全員)
という、2dayハッカソンとしては異例の賞金額!
また、参加するだけ(正確にはプレゼンまで行うと)参加賞までもらえる、非常にお得なシステムとなっています。
(全て支援いただいているスポンサー企業さんのおかげです。感謝!!)
参加者属性
1月28-29日開催の「はじめてのハッカソン~オンライン開発合宿vol.10~」の参加者属性をまとめました。
なんと今回の技育CAMPvol.10では、最年少が高校1年生(29卒)。同じロボット研究部の先輩と後輩が参加してくれたようです。
また1年前に参加してくれた学生さんがチームを組み、再び技育CAMPに参加してくれるなど、リピーターの学生も多い回になりました。
■ハッカソンスタート
Twitter上から技育CAMP参加者のハッカソン参加への声を集めました。
https://twitter.com/geek_pjt/status/1619172801520496640
今回は2023年度最初の技育CAMP、しかも多くの学生さんがテスト期間と被る日程の中開催されました。
貴重な2日間を技育CAMPvol.10に参加してくれて、本当にありがとうございます。
はじめてハッカソンに参加する人、一年ぶりにリピーターとしてハッカソンに参加してくれた人など、色んなバックボーンがある学生さんが参加し、切磋琢磨してくれて、技育CAMPを開催していてよかったなと思いました。
■ハッカソン中の様子
ハッカソンは2日間となり、初日の11時から2日目の15時までの合計28時間で開発を行います。(希望者は1週間前のキックオフからの開発はOK)
オンライン開催のため、チームごとに自宅や研究室から、様々な場所で開発を行います。
運営側で2名から3名のメンターも常時サポートできるようになっており、質問や相談を随時slackやZoomで受け付け、一緒に考え、一緒に問題解決をしていきます。
■いよいよプレゼン!
28時間の開発を終え、2日目16:00〜はいよいよ成果発表プレゼン!
2分間のプレゼン時間で発表していきます。
今回のハッカソンでは予選がなく、1回きりのプレゼンで全てが決まります。
この章では、発表されたプレゼンを一部抜粋して紹介しています。
■結果発表
いよいよ結果発表です。
今回の技育CAMPはリピーター参加の方も多く、皆さんがどんな挑戦ができたのか、運営一同楽しみにしておりました。
今回の審査員はサポーターズ代表の楓さん、学生メンターの笠原さんが担当します。
そして技育CAMPvol10では、努力賞7つ+優秀賞1つ+最優秀賞の計9賞が表彰されました。
この受賞数の多さは技育CAMPにおいて、過去最多です。
また少しずつ全体のレベルが上がっているようにも感じ、技育(ギーク)の人を増やすという結果が徐々に形になっているみたいで嬉しかったです。
努力賞1
栄えある努力賞1チーム目は、
通学2時間 ~ 車両内プログラマ ~「笑顔切り取りくん」
でした!
チーム「通学2時間 ~ 車両内プログラマ ~」は一人チームで参加しています。
ちなみにチーム名の由来は、その名の通り通学に2時間かかっているからだそうです。
チーム「通学2時間 ~ 車両内プログラマ ~」は、はじめてのハッカソン参加。今回のハッカソンの目標は、深層学習を使って動く物を作りたいとのこと。
チーム「通学2時間 ~ 車両内プログラマ ~」は、画像から、顔検出をし、笑顔を認識する機能を作りました。
顔検出すると四角い青い枠で表示され、笑顔認識すると四角い黄色の枠で表示されるようになります。
下の画像は、ブラウザで簡単に顔検出ができるように作ったものです。動画から、顔検出を行ない、笑顔スコアなども表示されています。
今後の展開として、同時アクセスへの対応や目が開いているかなど他機能の追加を目指しています。
ソロ参加の中、2日間の開発お疲れ様でした。
努力賞2
栄えある努力賞2チーム目は、
Devroll 「Capture The Task」
でした!
チーム「Devroll」は前回の技育CAMPvol9から連続の受賞になります。
チーム「Devroll」は、画像でタスクを管理できるTodoアプリ「Capture The Task」を制作しました。
タスクの追加は画像を撮影するだけです。画像が一覧表示されることによって、直感的にタスクを管理できるように工夫しています。
今回Kotolinを利用して、Android向けに開発しています。Kotolinを使った開発は初めてだったそうで、1週間の準備期間中にチュートリアルを試したり、記事を読んだりして技育CAMPへ備えたそうです。
Android Studioの使い方に慣れないなど苦労したポイントも多くありましたが、無事アプリは動く状態まで開発できました。
事前準備期間をあわせて、9日間の開発や下準備本当にお疲れ様でした。
努力賞3
栄えある努力賞3チーム目は、
転生したらプログラマだった件「やにめもりー」
でした!
チーム「転生したらプログラマだった件」は4人チームで参加し、タバコ抑制アプリ「やにめもりー」を制作しました。
「やにめもりー」は禁煙や自分の健康を意識している人に向けたアプリケーションです。
タバコ抑制アプリとして「やにめもりー」では、次のような機能を提供しています。
タバコ記録機能
表示機能
銘柄変更機能
月ごとに喫煙した記録が見られて摂取したニコチンやタールの量、購入した金額などまでこのダッシュボードで確認することができます。
またバーコードからタバコの銘柄を記録し、図鑑に登録することができます。
今までに喫煙した本数分のタバコの吸った量を【距離】として表示し、タバコ抑制に貢献します。
使用技術は、下記の通りです。
CSS
HTML
Javascript
PHP
MySQL
Vue.js
今後の展望としては、バーコードの読み取り精度を上げることなどを目指しているそうです。
非常にユニークな視点での開発だったと思います。制作お疲れ様でした!
努力賞4
栄えある努力賞4チーム目は、
ツイートかけご飯「ついーとかけごはん」
でした!
こちらのチーム「ツイートかけご飯」は、前回の技育CAMPの即席チームが再度チームを組み、今回参加してくれました。
「ターミナルかけご飯」改め、チーム「ツイートかけご飯」は、Twitter上で#geek_tkgのハッシュタグにかかれたコメントのオブジェクトを抽出し、Unity上でオブジェクトやテキストを表示させました。
使用技術は、下記の通りになります。
Python
Unity
SQLite
WebSocket
技育CAMPをきっかけに他学校の学生と交流がうまれ、また技育CAMPに参加してくれて、運営一同とても嬉しいです。
努力賞5
栄えある努力賞5チーム目は、
霊感商法「Drow and Drop」
名前がとても怪しいチーム「霊感商法」ですが、彼らはツボ作りをするゲームを作りました。
ゲームの内容は、壺を作り、壺を積んでスコアを競うゲームです。
グリッドをクリックして、好きな形の壺を作っていきます。
作った壺の積み方によって、スコアが表示されます。
今回の技育CAMPでは、次の技術的な初に挑戦したそうです。
matter.js
Vue.js
Firebase
GitHub Actions
Google Cloud AutoML Vision
プレゼン発表で「技育CAMP唯一の禁忌は~」からの発表開始は、皆の関心を一気に集めました。今後も面白い開発物を作り続けてください。
努力賞6
栄えある努力賞6チーム目は、
Orion「はっかーと!」
このチームはなんと高校生チーム!
ロボット研究部の先輩、後輩コンビで技育CAMPに参加してくれました。
今回のテーマは「はじめて」のハッカソンということで、誰もやったことないようなこと、やりたいと思い、「Hack+Cart=はっかーと!」を製造したそうです。
今回「Orion」がやったことは、Amazonで購入した3歳児用カートを電車にしたことです。
チーム「Orion」がやった面白いHackは、リモコンを使いたくないからコントローラを無くしたこと!
カートにカメラを取り付けて、人間の姿勢をカメラで読み取ってカートを操縦できるように製造しました。
暗い場所での姿勢読み取りも30fps(1秒間に30のフレームを撮影)で操作可能と2日間の開発でお見事です。
今後の課題としては、モーターのトルクが足りなかったことからハードウェアの面で改良が必要と語っています。
次は一体何を作ってくれるのでしょうか?チーム「Orion」の今後の活躍が楽しみですね。
努力賞7
栄えある努力賞7チーム目は、
ぼっち・ざ・てっく!「あの時間」
チーム「ぼっち・ざ・てっく」は、ソロ参加で技育CAMPに参加してくれました。
ハッカソンソロ参加での「あるある」として、発表練習の時間計測問題があります。
スタートボタンを押し忘れる。
ラップタイムの計測が上手くいかないなど。
そこでハッカソンの発表練習中に、ひとりで時間計測ができるChrome拡張機能を作りました。
チーム「ぼっち・ざ・てっく」は、JavaScriptで制作したとのことです。
プレゼンが終了するとラップタイムをまとめて、表示してくれます。
フィードバックシートにも「これは学校のプレゼン発表で使いたい」「こういうの欲しかったんだよね」と言った声が届いています。
シンプルに自分の困った課題を解決するという点がお見事でした。
優秀賞
栄えある「はじめてのハッカソン~オンライン開発合宿vol.10~」優秀賞に表彰されたチームは、
beginners「Idea Helper」
でした!!!
チーム「beginners」は1年ほど前に技育CAMPに参加し、今回vol10に再び参加してくれたチームです。
ハッカソンで大事な要素でアイデア、チームワーク、技術力などがあげられます。
その中でもアイデア出しに苦労する場合が多いです。
この「Idea Helper」はアイデアの種を提案し、テキストでのコピー、マークダウン形式のコピー、PDF形式のダウンロードの3種類のドキュメント化が可能です。
またアイデアの深掘りでは、チャット形式でアイデアを深掘りしていくことができます。
使用技術は下記の通りです。
React
Next.js
TypeScript
TailwindCSS
Mantine
OpenAI API
Docker
Vercel
今回技術的な挑戦として、Next.jsやMantine、OpenAI APIの初利用があげられます。
●講評
(学生メンター 笠原さん)
「Idea Helperっていうサービスを作って頂いたと思うんですけど、実装したい機能、UI共にとても完成度が高いところに素直に驚きました。
細かいところにも配慮されていて、センスがいいなというところですね。
今後の展望としても体裁がちょっと崩れていたりしたところを直したりとか、アイデアを考えるっていう軸で色々と今後も機能を追加することによって、今後の展望が広がりそうだなという点で良いプロダクトとなったと思います。
是非今後も継続活動を続けていただいて、ハッカソン初心者とかハッカソンに参加する人にとっての良いツールになることを願っています。おめでとうございます 」
(審査員長・サポーターズ代表 楓さん)
「自分たちの身近な課題から、どう解決するかどうやってサービスに落とし込むかというところで、例えばアイデアをどうアウトプットするとか、PDFにダウンロードできるとか、「この機能が欲しかったんだよなぁ」みたいなのがちゃんと考えられていて、かつ実装できているのがよかったです。
個人的にすごいいいなと思ったのが、「一番最初に何の課題を解決したいですか?」っていうところからスタートしているんですよね。
技育プロジェクトで言ってるけど、「自分で考えて自分で作れる人になろうよ」って言っているんです。
課題が大事だと思っているので、ちゃんとそこからスタートしてるっていうところを含めて、本当にみんなの思いが実現できたサービスだったのじゃないかなと思いました 。
beginnersは昔のハッカソンを経て、色々経験を経て今回参加してくれたので、成長が見られて嬉しかったです」
(チーム代表ひとこと)
「自分が使いたいと思ったものを今回作りました。自分たちでも足りない部分とかを感じているので、もうちょっと継続開発をして今後もハッカソンに出たいと思います」
最優秀賞
栄えある「はじめてのハッカソン~オンライン開発合宿vol.10~」最優秀賞に表彰されたチームは、
京産マグロ「Taber」
でした!!!
チーム「京産マグロ」は、なんと全員大学1年生のチームです。
ブラウザでページを開いていると、タブが多すぎてどうなってるかよくわからなくなる事があります。
チーム「京産マグロ」は、開くタブの数を制限、現在のタブ数を表示、URLごとにタブをグループ化する機能を持ったChrome拡張機能を作りました。
使用した言語は下記の通りです。
HTML
CSS
JavaScript
同じドメインがある場合、タブのグループを作ることができます。
そしてグループ解除を押すとグループの表示は削除されます。
他にも現在開いているタブの一覧、URLの一覧を見ることができます。
●講評
(学生メンター 笠原さん)
「京産マグロの皆さん、おめでとうございます。Taberって言うタブを管理する Chrome 拡張プロダクトのチームだったんですけど、単純に皆が地味に欲しいみたいところをうまくついてたなっていうところで、アイデアが発想がいいなというところですね。
機能も自分たちが実装をして、自分たちが困ってるみたいなところで、うまく実装できていたのじゃないかなっていうところですね。
技術的にも Chrome 拡張、言語も含めて一週間で自分たちでキャッチアップして作ったっていう所は本当に素直にすごいなと思いました。
一週間でこれだけできるっていうことは、今後 UI のデザインとかまだまだ皆さん凝りたいところもあると思うので、継続開発して いつかChromeのウェブストアにTaberが載ることを楽しみにしています」
(審査員長・サポーターズ代表 楓さん)
「シンプルに今回の中で一番使いたいなって思ったし、多分普通に今回のサービスを全チーム出したら一番ユーザーが多くなるだろうなっていうところでした。
細かい機能がそういうのあったらいいよねという、それこそ最大のタブ数を制限できる、それも自分で数を決められるとかさ、なんかそういう細かいところを含めてよく考えている。
いらない物は削って、必要な機能だけにそぎ落として実装したんだなということが見れました。
しかもここのチーム全員一年生。ということでこれからの発展の可能性も含めて、これを学生時代にずっと開発し続けたら、すげぇサービスができるんじゃゃないのかなと思いました。そういうポテンシャルを含めて、楽しみだなと感じ、今回最優秀賞とさせて頂きました」
(チーム代表ひとこと)
「本当に信じられなくて、本当に嬉しいです。自分たちは言語を知らないところから始めて、努力賞受賞できたらめっちゃ嬉しいくらい思っていたのですが、まさか最優秀賞を受賞できて本当に嬉しいです。ありがとうございます」
■全体講評
(審査員長・サポーターズ代表 楓さん)
「まあ改めて9チームが受賞したということで、史上最多の受賞数です。参加チームが多かったということもありますが、非常にレベルが高かったなと思っています。
ただ逆に言うと、ずば抜けたチームは少なかったかなと思います。
まあ当たり前なんですよ。長くても一週間、チームによっては2日間しかないので、開発をしているので。
そういう意味で言うと、今回受賞した所も受賞しなかったところもそんな大きな差はなかったと思います。
大事なのはここで受賞したことではなく、ここで気づいたこと、感じたことを、さらに次に何をするか。要はここで作ったものを追加開発するか、継続開発するかにかかっています。
それこそチーム「beginers」みたいに、何年か前に参加して色々悔しい思いとかして、色々頑張ってまたここに来たという話もあると思います。
ここから何をするのかが大事です。少なくとも今日ここで発表したという時点で、みんな土台には立っています。
みんなが思っているほど差はないです。だからすぐに追いつけますし、すぐに追い抜けます。
そうやってみんなで切磋琢磨することで全体のレベルが上がっていきます。実際に全体のレベルが少し上がり始めているなと感じています。
なのでここからです。
ここがスタートだと思ってこれからも頑張ってください」
■懇親会
サポーターズ代表の楓は、いつもこう言っています。
「懇親会までがハッカソンだ」
友達をつくる。知り合いを増やす。
コロナ禍で横のつながりが減り、情報が新しく入りづらい今の時代に懇親会は貴重な機会です。
懇親会はZoomのブレイクアウトルームを使い、数チームに分かれて懇親を深めました。
■ハッカソン後の声
Twitterで1月28日、29日技育CAMPハッカソン参加者の声をご紹介します。
https://twitter.com/geek_pjt/status/1619633342038835204
ということで、技育CAMP2023年1月vol10は無事終了いたしました。
サポーターズは、物創りに挑戦し、日本の未来を変えるギークなエンジニアを応援しております。