ビズリーチの急成長を牽引してきた新卒入社の若手エンジニアたち。 Visionalが新卒採用にかける想いとは。
採用プラットフォームを展開する老舗企業が数々ある中、2009年の創業以来「HR×TECH」で比類ない強さを発揮してきた株式会社ビズリーチは、3年前にグループ経営体制へ移行しました。Visionalが掲げるグループミッションは「新しい可能性を、次々と。」
中核となるHR Tech事業を支えるのは、創業当時から注力している”プロダクト”であり、そこに携わるエンジニアを含めた「プロダクト職」と呼ばれる人材です。Visionalがモノづくりにどのように取り組み、そこでエンジニアがどう成長し活躍しているのか。Visionalグループ 株式会社ビズリーチの3名、リクルーティングプロダクトCTOの外山英幸さん、2019年新卒入社エンジニアの野村洸太さん、2017年新卒入社エンジニアで現在はプロダクト新卒採用グループの澤なつみさんに、サポーターズ代表 楓が話を聞きました。
新卒エンジニア採用・育成のポイント
技術面だけでなく、その人のもつポテンシャルや企業が持つ価値観との相性を重視して採用
お客様の本質的な課題解決に向き合いながらチームでモノづくりができる環境
役割にとらわれず強みを生かしながらモノづくりの一連の工程のあらゆることに関われる環境
異なる職種間の連携による「組織力」から最適なプロダクトが生まれる
― 3年前から、グループ経営体制に変わったんですね。「ビズリーチ」や「HRMOS(ハーモス)シリーズ」が急拡大しているというイメージが強いのですが、現在の事業について教えてください。
外山さん
株式会社ビズリーチ単体の経営体制だった時も事業の多角化を行っていて、HR Tech領域以外の事業も手掛けていました。グループ経営体制に移行し、HR Tech領域と新規事業領域で戦略を明確に分けて事業を推進しています。その中で現在、株式会社ビズリーチが手掛けているのはHR Tech領域です。就職活動を支援するOB/OG訪問ネットワークサービス「ビズリーチ・キャンパス」、即戦力人材と企業を繋ぐ転職サイト「ビズリーチ」、企業様の人材活用や社員のキャリアをサポートする人財活用プラットフォーム「HRMOS(ハーモス)シリーズ」、3つのプロダクトによって、就職や転職支援だけではなく、企業に入社した後もその人のキャリアを支えることで、個人のキャリアに生涯寄り添っていく「キャリアインフラになる」というビジョンを実現しようとしています。
― グループとしての強みは何ですか。
外山さん
グループとしても、ビズリーチ社としても、組織力が一番の強みだと思っています。例えばビズリーチサービスを例として挙げますと、ビズリーチ社の創業が2009年で、「ビズリーチ」のプロダクトもほぼ同じタイミングで生まれています。その後、「ビズリーチ」の事業は短期間でユーザー数も売上も急激に伸び続けてきましたが、拡大への対応を優先していたため10年以上前に構築したレガシーとも言えるシステムの増築を数年前まで続けている状態でした。そこで10年後を見据えてプロダクトの変革、アーキテクチャの刷新に着手しました。この中長期を見据えたダイナミックな変革を実現させるために必要となるのは、さまざまな役割や職種の人たちが同じ目標に向かって一丸となり進んでいける組織力だと考えています。
― 御社ではなぜ、組織力を重視しているのですか。組織力が、プロダクトとどう関わってくるのでしょうか。
外山さん
「ビズリーチ」のユーザーは、お客様である求職者様、採用企業様、ヘッドハンター様と、採用企業様をサポートする社内のCS(カスタマーサクセス)がいます。私たちは常にお客様の課題解決を目指していますが、この4者の課題が必ずしも同じではありません。そこでそれぞれのバランスを取りながらプロダクトの開発を行い、その結果を踏まえて次のアプローチを考えるというPDCAサイクルを高速で回していく必要があります。だからこそ、ビジネスのフロントに立つメンバー、バックオフィスのメンバー、プロダクトに携わるメンバー、それぞれの立場のメンバーの連携が必要ですし、最適なプロダクトはそこから生まれます。
― 新しい経営体制のもと、ビズリーチ社の組織にも変化はありましたか。
外山さん
3年前、事業にコミットする力をより強くするためにプロダクトに携わる人が全員所属するプロダクト本部を立ち上げました。それまで、エンジニアを専門領域によってバックエンドエンジニア、フロントエンドエンジニア、アプリケーションエンジニアなど細分化していたのですが、それを廃止し、さらには役割にとらわれず課題解決に向き合うため、エンジニアとデザイナーの部門の区分けを止めて統合し、プロダクトに携わる職種「プロダクト職」としてこの本部に集結させました。現在、ビズリーチ社の中の約3割がプロダクト職です。
組織の文化を受け継いでいく人材を育てるため、新卒採用に注力
― 新卒エンジニアは毎年どれくらい採用していますか。また、どんな基準で採用しているのでしょうか。
澤さん
当社の目指す姿やモノづくりのスタンスに共感いただき、志向がマッチした方にご入社いただいていますので、人数は限定していません。採用基準としては、技術力というのは入社してからでも身につけていただけるものなので、選考時に重視するのは、モノづくりに熱心に取り組めるポテンシャルがあるか、当社の目指すビジョンやモノづくりに対するスタンスに共感いただけるかという点です。
新卒採用に向けて、Visionalでは毎年サマーインターンを開催しています。2023年夏のインターンは、エンジニアとデザイナー合同のプログラムとなっています。現場のモノづくりのプロセスを体感できるプログラムなので、当社が大切にしているユーザーの課題にとことん向き合ったモノづくりをチームでしてみたいという方には、おすすめしたいインターンになっております。
― インターンのお話をうかがっていると、新卒採用にかなり力を入れていらっしゃるようにお見受けしますが、その理由を教えていただけますか。
外山さん
新卒社員の持つスキルが短期的に即戦力になるかという点で言うと、経験が長い方の持つスキルの方が上回ります。例えば今すぐ特定の課題を解決したい、そのためにChatGPTをはじめ最新の技術をプロダクトに組み込みたいというような場合には、そのスキルを持った方にキャリア採用でご入社いただく場合の方が多いと思います。しかし同時に、会社が中長期的に成長していくためには組織の文化を受け継ぎ伝播していく、組織の核となる人が必要です。特に新卒として迎える仲間たちが組織の核となり、結果的に数年後には会社や事業を牽引する存在になると私たちは考えています。
また新卒社員自身も、Visionalの環境を活用して自らの可能性を最大化することで、自らが提供する価値を大きくしていき、いずれ社会に貢献できるような人材になるよう、当社は新卒採用と育成に投資を続けています。
― 実際に新卒エンジニアの方は、どのように育っているんでしょうか。
野村さん
新卒エンジニアとして入社し、まず感じたのは、エンジニアだけでなく、ビジネス職をはじめいろいろな職能の人たちと接する機会が多いということです。私は新卒で入社して4年なんですが、その間に担当するプロダクトも何度か変わり、そのたびに向き合う対象も、お客様である採用企業様や求職者様、そのお客様を担当している社内の担当者など変わっていきました。それぞれの声を聞いて仮説と検証を繰り返し、幅広い経験ができたのはもちろんですが、それ以上に、常に本質的な価値とはそもそも何かを問われ続けてきたと思っています。
澤さん
学生のみなさんとしては新卒研修についても気になる部分かと思うのですが、弊社の新卒研修ではビジネス・プロダクト職合同でビジネスに関する基礎知識から身につけ、その後、品質保証やソフトウェア開発のプロセスの基礎などモノづくりの基礎を学びます。モノづくりの統合的な視点を持ったエンジニアになるために、新卒研修の内容にもこだわりを持って設計しています。自分自身も入社してすぐ新卒研修を受けましたが、毎年研修内容がアップデートしているのをみていて会社としての新卒社員に対する大きな期待を感じています。
入社から5年後、技術力+αがエンジニアとしての本当の強みに
― そういう中で成長してきて、身についたものは何ですか。他社とは違う、御社のエンジニアならではの強みがあれば教えてください。
野村さん
他社でエンジニアとして働いている大学時代の同期に会うと、キャリアの描き方にもよりますが、エンジニアという職能である以上特定の領域への興味が強い人も多いです。一方、当社では技術力だけにとどまらずに+αの部分も含めて成長を求められている環境であると思います。例えば同僚が何か新しい提案をして、そこに自分から積極的に関わり、職種の垣根を越えて周りを巻き込みながら実現まで成し遂げていく推進力。目的を達成するための課題があった際に、自分に何ができるかを考え、役割にとらわれず自然と行動できる力がついている点が、当社のエンジニアの特徴だと感じています。
澤さん
+αの部分も伸ばせるというのは、とても共感します。私自身、今日は採用担当者としてお話しさせていただいてますが、実はエンジニアとして入社しており、ジョブチェンジを経験して+αの幅広いスキルを習得中です。
というのも、5年間ほど「HRMOS」の採用管理の開発に従事してきましたが、よりユーザーの理解を深めるために自社の新卒採用に少しずつ関わり始め、今は主務として人事に挑戦中という背景になります。つまり自分も開発に携わっていたサービスを日々利用する側になったのですが、実際に利用してみて気づくことは予想以上にたくさんあるな、と感じています。この先、エンジニアに戻った際には、採用活動で得た経験や知識を生かしてより良いサービスにしていきたいと思っています。
Visionalがモノづくりで大事にしたい価値観として、「より良いプロダクトにするために、必要なことは領域を問わず行う」という考え方があるからこそ、ここまでの挑戦をさせてもらえてますし、技術者である以前に私たちはビジネスパーソンであるので、モノづくり、ひいては事業づくりに貢献できるような幅広いスキルを身につけることはとても大事なことだと個人的にも考えています。
― エンジニアのそういう強みが、プロダクト力やそれを生み出す組織力として表れてきているということでしょうか。
外山さん
当社のエンジニアは、技術を手段として捉えることや、課題解決のためのコトに向き合うコミュニケーションへの意識が強い人が多いと思います。エンジニアは新しい技術への興味が強い人も多いと思いますが、本来はお客様の課題を解決する手段として必要な技術を使うという選択をするべきであると思うんです。常に「技術を使ってどういう課題を解決するか」という領域に踏み込んでいるからこそ、入社から5年も経つと、お客様の課題解決につながる本質的に価値のあるプロダクトを作ることのできる本当に強いエンジニアになれるのではと思います。
― 技術力も含めた顧客志向のモノづくりができる力を伸ばす育成方針ということですね。そうした方針のもとで、若手のエンジニアが目立った活躍をしている事例があれば教えてください。
外山さん
「キャリアインフラになる」という大きなビジョンの実現のためのビズリーチ社の10年後を担うプロジェクトは、野村を含めた新卒入社の若手がリードしています。10年以上稼働してきたプロダクトのアーキテクチャを変えるということは、お客様や社内のいろいろな立場の人たちにも少なからず影響が出ることは避けられません。エンジニアという立場であらゆるステークホルダーとの調整までもやりきったことは、事業づくりの大きな目的のために必要なことは領域にとらわれず何でもやる、という私たちが大切にしているスタンスをまさに体現してくれた事例だと感じております。
技育プロジェクトは、多くの企業の異なる文化を見られる貴重な機会
― 若手主導で戦略的なプロジェクトが動いているんですね。そんな御社が技育プロジェクトに参加しようと決めたのはどういう理由からですか。
澤さん
理由の1つは、Visionalがモノづくりに力を入れている企業であることを学生たちに広く伝えたいからです。それともう1つ、技育プロジェクトでは、年間を通して学生たちがインプットとアウトプットのサイクルを経験し、成長できる機会を提供していて、そこに共感したからです。そうした取り組みに参加することで、将来一緒に働くことになるかもしれないエンジニア志望の学生たちの一助になれることがとても嬉しいです。
外山さん
それに学生にとって、技育プロジェクトはいろいろな会社を一歩踏み込んで見られるいい機会だと思います。そんな機会は学生時代しかありません。会社によってエンジニアに求めているものや組織の文化が全然違います。一方で、そういった組織の文化こそが、どの会社でもそれぞれ強みになっていると思っています。学生たちには、それをどんどん見に行ってほしいです。
― 社会に出る前の、自由に遊びに行って自由に情報交換できる貴重な場、ということですね。技育プロジェクトを通して、学生たちにさらにこんなことをしてほしい、こんなスキルを身につけてほしいなどの思いはありますか。
澤さん
技育プロジェクトを通してエンジニアとして成長してほしいと思いますが、その際、技術力を向上させるだけでなく、自分がこれから何をしたいのか、モノづくりをする上で譲れないポイントは何かを考えてほしいです。それを考えることが、よいキャリア選択、自分に合った企業との出会いにつながっていくのではないかと思います。