必要なのは学生とのフラットな関係 ウィルゲートの文化まで変えた新卒エンジニア採用
2006年の創業以来、ウィルゲートは、SEOを起点にWebマーケティングをワンストップで支援してきました。最近では、セールステック、M&A仲介など事業領域を拡大し、ベンチャー企業が抱えるさまざまな課題に対応しています。
サポーターズと新卒エンジニア採用を始めたのは、2014年度から。ウィルゲートが新卒エンジニア採用に力を入れた理由とは。当時から人事を担当する執行役員の北林賢太さんに、サポーターズ代表 楓が話を聞きました。
新卒エンジニア採用・育成のポイント
技術的探究心があるかどうかを採用のポイントに
失敗談も正直に伝え、共感してくれる学生とつながる
学校行脚で学生たちとフラットな関係を構築
ウィルゲートが新卒エンジニア採用に力を入れた理由
– サポーターズと新卒エンジニア採用を始めた当時、ウィルゲートはまだまだ営業文化が強かったように思います。その状況ですと、まずはエンジニア組織を盤石なものにするため、経験豊富な中途エンジニアを採用しようとする企業が多いと思います。なぜ新卒エンジニア採用を強化したのでしょうか?
強いエンジニア組織をつくるために、これまでの経験や現在のレベルへのフォーカスも大事ですが、技術が好きで、探求する力が高い人材が必要だと考えていたからです。技術トレンドは移り変わりが速い。覚えたことがすぐに陳腐化してしまう世界です。だからこそ、探究心さえあれば新卒エンジニアも十分活躍できると思っていました。
それに、ここ数年、技術に明るい学生がかなり増えていますよね。新しく学んだ技術をサービスに還元していくということが自然とできてしまうんです。実際に入社した新卒エンジニアもめちゃくちゃ優秀で、入社初年度に全社の年間MVPを受賞する新卒が現れたりしていました。
それ以前は、たまたま入社した理系や情報系出身のメンバーを開発担当としてアサインしていたのですが、そんな新卒メンバーたちの活躍もあって、いつの間にか、全社的に新卒エンジニア採用への協力体制が醸成され、技術力に高い人材の入社が増えていきました。
「営業の会社」に芽生えたエンジニア文化
– エンジニアが増えていくにつれて、社内ではどんな変化がありましたか?
新卒エンジニア採用を始める前、ウィルゲートは「営業色の強い会社」でした。
会社全体として、エンジニアやプロダクト開発に対しての理解も不足していたので、彼らがうまく輝く環境を作れず、エンジニア採用にも苦戦していたんです。今は、当時入ってきてくれたメンバーたちのおかげでエンジニアのカルチャーが浸透してきているのを感じます。
コロナ禍でコミュニケーションが軒並みオンラインに移行し、ますますそれを実感しています。Slackは常に活発ですし、社内イベントの配信は、エンジニアたちのコメントがきっかけでチャット欄がわっと盛り上がります。とにかくテキストコミュニケーションにおける才能の発揮具合がハンパないんです。カルチャーって、無理矢理作るものではなく、自然にできていくもの、育んでいくものだなと思ってるのですが、コロナをきっかけに、まさにエンジニアたちが新たな文化を育んでいくのを目の当たりにしました。
メガベンチャーと並んで、新卒エンジニアに伝えたこと
– 新卒エンジニア採用で苦労されたことは何ですか?
新卒エンジニア採用を始めたばかりの頃、サポーターズが主催する合同企業説明会に出ました。誰もが知るメガベンチャーと並んで話すんです。サービスの規模、ユーザー数ともに圧倒的ですし、プレゼンテーションも洗練されていてカッコいい。結構つらかったですよ(笑)。
それでも、学生が振り向いてくれたのは、「何をやるか」より「誰となぜやるか」を訴えたからだと思います。
私たちは過去に一度経営に失敗しています。新規事業の失敗や内部崩壊によって、資金調達した1億円がわずか1年半で消えてしまったんです。当時は必死で、スキル重視の採用に振り切ったのですが、価値観の共有まで至らず、つらいときに頑張れない組織になってしまいました。このとき、社員も3分の1にまで減ってしまったんです。だからこそ、私たちはビジョンやカルチャーを大事にしたいんだと包み隠さず話しました。
あの頃のプロダクトや開発室体制に目を向けると足りないものばかりだったので、採用の場では苦戦もありました。でも、未来に共感し会社を創っていくのは自分たちだと考えている学生にとっては、唯一無二の会社に映ったようです。「失敗談も話す人柄に好感を持った」というコメントもいただきました。たくさんの学生に興味を持ってもらうのではなく、刺さる学生に刺さればいいんだと、新卒採用の方針も明確になりました。
研究室にこもっていた学生と引き合わせてくれたサポーターズ
– サポーターズとの取り組みで印象に残っていることは何ですか?
学校行脚ですね。サポーターズは以前から地方の学生エンジニアを招いたイベントや学校行脚、1on1を開催していて、地方の学生とのつながりの濃さは群を抜いていました。そこでわれわれも、金沢工業大学、長岡技術科学大学、高知工科大学など、サポーターズと一緒に全国各地のキャンパスをめぐったんです。
学生との交流は、楽しくて仕方ありませんでした。普段教授の方々が話されている教壇に立って話すのは、恐れ多くて最後まで苦手でしたが、「ベンチャー企業に入ってこんなキャリアもあるんだよ」と伝えたら、この中の何人かが選択肢に入れてくれるんじゃないか、仮にウィルゲートに入ってくれなくても、何か提供できたらいいな、と考えていました。そんな中で、学食や彼ら行きつけの居酒屋で一緒にごはんを食べたり、研究室に案内してもらったり、素の学生たちとフラットな関係を築くことができました。
今や、当社のエンジニアの8割は地方の学校出身です。サポーターズと一緒でなければ、ここまで地方の学生とつながるのは難しかったでしょう。サポーターズの最大の功績は、地方の学校の研究室にこもって推薦で大企業に入社していた学生たちを、就職活動の場に連れ出してきたことだと思います。もちろん推薦で大企業に入社する選択にも大いに敬意を表したいですが『彼らの選択肢に拡がりをもたらしたこと』がサポーターズのかけがえないの価値だと考えています。
そこから実際に入社した方も多く、探究心があって責任感も強かったので、活躍し始めるのも早かったですね。実際開発部門の責任者に抜擢されたり、全社のMVPを獲得したりと、大活躍しています。またそんな彼らが、「ウィルゲートはこんな会社だよ」と後輩たちに話しているのを見ると誇らしさと嬉しさを感じましたね。
学生理解と企業理解、どちらもあるから信頼できる
サポーターズの良さは「フラットな場の創造」だと思います。変に企業を持ち上げないようにしていますよね。「企業様がいらっしゃいました!(パチパチパチ)」というようなかしこまったスタイルの就活イベントもあるじゃないですか。でも、サポーターズのイベントは、学生と企業が一つのピザを囲んでみんなで食べながら好きなゲームの話で盛り上がる、みたいな。あくまでもフラット。良し悪しではなくて好みの問題ですが、それがウィルゲートのポリシーにもフィットしていましたし、学生たちの緊張もほぐれ、話しやすいと感じるのではないでしょうか。
– そう感じていただけると嬉しいです。私たちは、学生と企業が対等に話せる環境づくりを意識してきました。社内では「企業に様をつけないように」と言っています。様を付けるとどうしても、学生より企業のほうが上だとお互い認識してしまいますよね。
学生のことだけではなく、ウィルゲートのことも激しく理解してくれていると思います。サポーターズには、学生に対して「この観点でウィルゲートとマッチしているよ」「そういうスタンスだとウィルゲートは受けないほうが良いよ」という本音ベースのことを、私たちよりも熱く語れる人たちがいるんです。
つまり、企業の採用チームの考えを深く理解しつつ、学生のキャリアを一番に、どこで働けば幸せになれるのかセットで考えてくれるんです。だからこそ、企業も学生もサポーターズを信頼しているのではないでしょうか。
<参考>
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▼事業方針
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