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これでもう迷わない 新卒採用での自社の強みを整理しよう

今回のテーマは「自社の強みの整理」についてです。候補者に訴求するだけでなく、採用体制をスケールさせるためにも必要なのが、事前に自社の強みを整理することです。新卒ITエンジニア採用を念頭に置きながらお話します。

自社の強みの整理を何故しなければならないのか

2015年頃までの就職氷河期に伴う買い手市場では、企業は応募のあった候補者に対して選ぶ立場のみで問題ありませんでした。しかし売り手市場の現在では候補者を選びつつも、候補者から進路として企業が選ばれなければなりません。

言い換えると選考をしながらも候補者の自社への志望をアトラクトしなければなりません。そして候補者をアトラクトするためには人事や面接担当者が「自社を好きになる」ところから始めなければなりません。

例えばカジュアル面談や面接の最後に、候補者からの質問を受け付ける「逆質問」というものがあります。そしてこの際に「○○さん(面接官)はどういう理由で入社したのですか」「この企業のどういったところが気に入っていますか」というFAQがあります。この際、準備が不十分で言葉に詰まったりすると、歯切れの悪さが候補者に伝わってしまいます。候補者としても「自社への入社経緯すらも回答できない面接官が居るところに入って良いものだろうか」という疑問に繋がり、候補者体験はかなり悪いものになってしまいます。そのためにも、時間を取って面接に関わる人が一人一人、自分の言葉で回答を用意しておく必要があります。

採用対象のペルソナに近い社員に対する社内インタビュー

新卒の場合であれば、新卒入社したエンジニアの時間を抑え、インタビューをしておくと効果的です。インタビュー内容としては下記のものをお勧めしています。

  • どういう採用チャンネルを使ったか

  • どういう企業と悩んだか

  • 最終的にどういう観点で意思決定をしたのか

  • 実際に入社してみてどうだったか

  • 採用過程の改善点

これらの話を総括していくことで自社の強みが見えてきます。採用対象である新卒を経て入社しているメンバーであれば、新卒採用フローへ反映させやすい声が拾える可能性が高いため、まずはフラットに話ができるようにしましょう。

新卒が居ない場合、自社内に既に採用対象のペルソナに近い若手に対して、上記の項目を中心にインタビューしておくとよいでしょう。

自社の強みを整理するワークショップ

実際にいくつかの企業さんにて実施しているものとして、面接官を集めてのワークショップがあります。数名のグループを作り、ホワイトボードやMiroのようなツールを使いながらディスカッションをして貰います。その後、各チームより発表して貰い、他グループで出てきた意見を聞くことによって自社の強みの再認識に繋がります。

具体的なワークショップのテーマとしては下記のものになります。自分自身がどうして現職を内定承諾をしたのかを振り返ってもらったり、気に入っている雰囲気や制度などを列挙していきます。

開発の側面から見た自社の強み

自社の開発面の強みを列挙して貰います。何も日本一である必要はなく、自分自身が普段の開発・運用においてどのような強みや、心地良さを感じているかがポイントとなります。

モダンな技術選定、柔軟な技術的な意思決定、リファクタリングに対する上層部の理解、経験が積める、教えてもらえる環境、切磋琢磨できる環境…ポジティブな切り口はいくつかあるはずです。

組織の側面から見た自社の強み

同様に自社の組織の強みを列挙して貰います。

ミッション・ビジョン、事業の社会貢献性、働き方の制度、同僚、風通しの良さなどが挙がると予想されます。

候補者に「なぜ弊社を志望するのか」というWhyを投げかけたくなる企業ほど、面接官が「なぜ自社に入社したのか」を語ることができる状態にしておきましょう。

人事とエンジニアが仲良くなるところから始めよう

採用がうまくいっているIT企業の特徴として、人事とエンジニアの距離が近く、しっかりとコミュニケーションができていることにあります。

エンジニア出身のジンジニア、エンジニア組織の中に人事が入っていくHRBPなどといった事例も見られますが、結局のところは腹を割って意見交換できる関係になることが重要です。

特に新卒採用においては面接に関わった人事採用担当者がキャリア方針を削り出すことも多く、採用後も継続的にコミュニケーションを取ることで新卒入社社員の満足度は上がる傾向にあります。逆に人事採用担当者が「私達の仕事は入社までです」と断言する企業は入社後のトラブルを多く聞く傾向にあります。

常日頃からの人事採用担当者や面接官、そして社員とのコミュニケーションと、上記のワークショップとを併用することで、自然と面接官の口から自社の売り文句が出てくるようになるでしょう。


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